興奮冷めやらぬうち…と思ったのだけれど、結局こんな時間になってしまった。
昨夜はジャズ・ピアニスト、
小曽根真さんのライブ。
キース・ジャレットも音が気に入っているという上野の東京文化会館小ホール。
小曽根さんも相当気に入っているようでした。
そして今回は、今、私が最も興味のあるスタイル、
ピアノソロ。
ピアノソロの可能性って無限だと思うんです。大好きなんです。
そんなわけで、今年はソロピアノをたくさん聴こうと思っていたところでした。その一発目。
上野の小ホールは本当に心地よくて、そこに小曽根さんのお人柄が反映されてか、客席の雰囲気もなぜかとてもあったかくて、最高の時間を過ごして帰ってきました。座席も後ろの方でしたが、角度的に手元のよく見える席!今回、客席に小曽根さんのお母様がいらっしゃっていて紹介されてましたよ。(私の席のわりとすぐのところに。)
Set List
1. La Muerte del Angel / アストル・ピアソラ
2. Waltz for Ronko / 小曽根真
3. It's All Right with me / コール・ポーター
4. You're not alone / Makoto Ozone
5. Tea for three / Makoto Ozone
6. Spanish Waltz / Satoru Shionoya
15分休憩
1. Pandra パンドラ / 小曽根真
2. Lullaby for Rabbit / 小曽根真
3. Stinger / 小曽根真
4. Pray / 塩谷哲
5. Wild Goose Chase / 小曽根真
Ancore
・Before I was Born / 小曽根真
・エアジン
一時期私がハマっていたSALTこと
塩谷哲さんの曲も入っていて超はっぴー。2曲目の「waltz〜」は20年ほど前の作品だそうです。塩谷さんがコピーして弾いて聴かせてくれたのに、小曽根さんはその時忘れていて弾けなかったそう。悔しかったから今日弾いた…との話。そしてアンコール…1曲目は小曽根さんが奥様と出会われた頃に彼女に送った曲だそうで。(たしかそんなようなことをおっしゃっていたような…違っていたらゴメンナサイ)2曲目は右手が際限なく速弾き!
エキサイティング。
そして、その場でCD購入した人には終演後に
サイン会もあり…私もそうとは知らず「
No Name Horses」購入していたので列に並びました。このCD、発売から1ヶ月以上経つのだけれど、購入しようと思ってもみつからず、それならTSUTAYAで借りてみようと思ったら品切れ中…。そんなことが続いていて、ようやく昨日手に入れることができたんです。
…そして私の番。私にはどうしても小曽根さんに伝えたいことがありました。
お礼です。前に某専門誌で小曽根さんの曲を
採譜したときのこと。ご自身で原稿をチェックされた際に「すごい」と採譜をほめてくださったというのです。そのことがすごく嬉しくて嬉しくて。
というのも「
採譜」という作業、骨が折れる割に誰にもその大変さをわかってもらない、それなのに間違いを発見されると文句を言われる、いつもいつもタイトなスケジュール、ギャラもよくない(笑)。じゃぁなんでやってるの?と聞かれても「
好きだから」「
自分がその曲の魅力を知りたいから」「
音楽バカだから」という理由ぐらいしかみつからない。絶対音感を持つ人なんてざらにいます。それに絶対音感なんてなくても、耳コピが得意だという人も数知れず。音を採るのって大変でしょう?という方も多いですが、正直、音を採るだけでいいのならそんなに大変ではないんです。(「大変」なことをやってのけていると思われたい気持ちはありますが…笑) だから、採譜(楽譜に採る場合)で大切なのは「
音を採ること」ではないと私は思っています。むしろ、
譜割だったり、
聴こえた音にどういう意味を見出すかだと思うのです。ただ楽譜を書いているわけじゃないんです。そういう感覚的なところを話せる人が私の周りにはいなくて、言ってしまえば、それを弾いたミュージシャンご本人にしかわかっていただけないことかもしれなくて…。(これをお読みの「こういう話ができるという方」「なんだ…まだまだ甘いなー、コイツ」と思った方、是非お友達になりましょう!?)だから、そのミュージシャンご本人に褒めていただけたというのは、私にとっては何よりの出来事だったのです!
でも、やっぱり何も言わずにサインだけいただいて帰ろうかと思っていたのですが、気づいたらそのことが口をついて出ていて、そしたら小曽根さんも覚えていてくださったようで
感激でした。それに、編集さんから聞いたところだと「すごい」とぼそっとつぶやいた…くらいのニュアンスかとも思っていたのですが、小曽根さんから「この採譜をした人にちゃんと伝えて」と言ってくださった、とのこと。こんな機会でもなければ知り得なかったことです。ともかく私は緊張しぃ&恥ずかしがり屋さんなので、自分が何をしゃべったかも全く覚えていないのですが、小曽根さんはものすごい、ほんっっとめちゃめちゃいい人でした。
リスペクト!
あまりに緊張&興奮して、その場を離れてから気づいたら泣いてました…。周りから変な目で見られたかな。。。まぁ、いいや。だってしょうがないじゃない。そんなわけで、いつまでもその余韻に浸りたくて、ダンナ様といつもの店で一杯やって帰ってきました。もしかして、CDがなかなか手に入らなかったのも、昨日のあの瞬間のため…だったのかな?
余談。
小曽根さんからも「大変だったでしょう?」とお気遣いいただけてとてもうれしかった採譜でしたが、実は、ああいうゆったりムードの曲だったらそんなに時間もかかりません。大体1日で仕上げます。でも、請ける時にはもうちょっと余裕持った日程でないとやりませんが・・。時間をおいて(ほっといて)あとでもう一度見直した方がいいもので。なぜか。(その間、違う仕事をしてるという話もある…^^;)
それでも、あれだけ音符が細かいと、清書だけでふつうの倍は時間とられてしまうというのはあるかもしれないです。
ちなみにこれです。興味ある方はどうぞ。某FM局(伏せる必要もないね・・・J-WAVEです)のWeather、天気予報の曲です。「
Walking Together」。もとがピアノ1本ではないので完コピ(完全なる採譜・耳コピ)ではなく、右手が完コピ、左手は適宜調整しています。バックナンバー、小曽根さんが表紙の
キーマガ昨年9月号。
http://www.rittor-music.co.jp/hp/km/index.html
(
Mina)
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追記:余談2
小曽根さんのHPを覗いてみた。私が行ったのと同じ25日に、私と同じ名前の方が聴きに行っていて、そのことを書き込みされていた。しかも、私がここに書いたのと同じような感想で、しかも文体も似ているような気がして、あらー、私がもう1人いる・・・!?酔っ払って書き込んだ・・・?!と思ってしまうくらいびっくりしました。(そりゃぁ、会場にあれだけヒトがいたら同じ名前の人がいてもあたり前・・か。)